毎日使うトイレも、実は様々な部品から構成されており、それぞれに寿命があります。賃貸物件で快適に暮らすためには、トイレの寿命や経年劣化のサインを把握し、早めに気づくことが重要です。見過ごしてしまうと、思わぬトラブルや不便に繋がる可能性があります。トイレ本体(便器とタンク)の一般的な寿命は、陶器製であれば20年から30年と言われています。非常に頑丈な素材ですが、経年によるひび割れや、内部部品の劣化は避けられません。一方、タンク内部の部品(ボールタップ、フロートバルブ、パッキンなど)や、洗浄機能付き便座(ウォシュレットなど)は、プラスチックやゴム製品が多く、その寿命は5年から10年程度と比較的短いです。これらの消耗品が先に劣化し、様々な不具合を引き起こします。経年劣化のサインは多岐にわたります。まず、最も分かりやすいのが「水漏れ」です。タンクの下や便器の根元からの水漏れ、あるいは便器内にチョロチョロと水が流れ続けるのは、タンク内部のパッキンや弁の劣化が原因です。水道代にも影響するため、見つけたらすぐに大家さんや管理会社に連絡しましょう。次に、「水の流れが悪い」「詰まりやすい」といった症状です。これは、排水管の汚れの蓄積だけでなく、タンク内部の部品の劣化による洗浄力の低下も考えられます。レバーをひねっても水の勢いが弱い、流れる時間が長いなどもサインです。また、「異音」も注意すべき兆候です。水を流した後に「シュー」という音が長く続く、あるいは「キーン」という甲高い音が鳴る場合は、ボールタップなどの給水関連部品の不具合が疑われます。これらの音がするのに放置すると、水が止まらなくなったり、水漏れに発展したりする可能性があります。さらに、洗浄機能付き便座の場合、ボタンが反応しない、水が出ない、温水が出ない、乾燥機能が働かないなども寿命や経年劣化のサインです。電気部品であるため、故障すると修理が困難な場合が多いでしょう。これらのサインに気づいたら、放置せず、速やかに大家さんや管理会社に連絡し、対応を依頼することが、賃貸物件で快適な生活を長く続けるための秘訣です。