既存のトイレに手洗い器を後付けする工事は、専門的な知識と技術が必要なため、基本的にプロの業者に依頼することになります。ここでは、一般的な工事の具体的な流れをご紹介し、事前に何を準備すればよいかの参考にしてください。まず、第一ステップは「現地調査と見積もり」です。依頼したい業者に連絡し、自宅のトイレの状況を確認してもらいます。業者は、トイレの広さ、既存の給排水管の位置、壁や床の材質、コンセントの有無などを詳しく調査します。この段階で、どのようなタイプの手洗い器が設置可能か、どのような工事が必要か、そして概算の費用が提示されます。複数の業者から見積もりを取り、工事内容や費用、アフターサービスなどを比較検討することが重要です。この時に、疑問点があれば遠慮なく質問し、納得いくまで説明を受けましょう。次に「手洗い器本体の選定と契約」です。見積もり内容に納得したら、具体的な手洗い器の機種やデザインを選定し、工事内容と費用を確定して契約を結びます。この際、工期や工事中の注意点、支払い条件なども確認しておきましょう。製品によっては取り寄せに時間がかかる場合もあるため、早めに決めることがスムーズな工事につながります。いよいよ「工事開始」です。工事当日は、まず既存の便器周りの養生が行われ、汚れないように保護されます。その後、手洗い器を設置する位置に墨出し(印付け)を行い、壁や床に穴を開ける作業に入ります。給排水管の接続位置に合わせて、必要に応じて配管を新設したり、既存の配管から分岐させたりする作業が行われます。この配管作業が、水漏れを防ぐ上で最も重要な工程の一つです。配管が完了したら、選定した手洗い器本体を壁に取り付けたり、カウンターに設置したりします。水栓金具を取り付け、給排水管にしっかりと接続し、水漏れがないか入念にチェックされます。最後に、壁の補修やコーキング作業、周囲の清掃を行い、試運転をして問題がなければ工事完了です。工事の規模にもよりますが、通常は半日~1日で完了することが多いでしょう。工事後には、製品の取り扱い説明や保証書の説明を受け、不明な点がないか確認して工事は終了となります。
トイレ手洗い器後付け工事の具体的な流れ