多くの人がリフォームを検討する際、まず足を運ぶのが近所のホームセンターではないでしょうか。そこで目にするトイレの価格は、メーカーのショールームで提示される定価とは比較にならないほど安く設定されていることが一般的です。なぜこれほどまでの価格差が生まれるのか、その裏側にはいくつかの明確な理由が存在します。まず最も大きな要因として挙げられるのが、ホームセンター独自の強力な仕入れルートと大量発注によるスケールメリットです。ホームセンターは全国に数百から数千の店舗を展開しており、一度の注文で数千台から数万台規模の製品をメーカーに発注します。メーカー側にとっても、これほど大きなロットでの注文は製造ラインの効率化に繋がり、在庫リスクを大幅に軽減できるため、一台あたりの単価を極限まで下げることが可能になります。この大量仕入れによるコストダウン分が、そのまま消費者の購入価格に還元されているのです。次に注目すべきは、ホームセンター向けに開発された専用モデルの存在です。実は、ホームセンターの店頭に並んでいるトイレの多くは、メーカーの一般カタログには掲載されていない、いわゆるホームセンター仕様車のような位置づけの製品です。これらの製品は、基本的な洗浄機能や節水性能は確保しつつ、過剰な装飾や複雑な電子機能を省くことでコストを削減しています。例えば、最新の高級モデルに搭載されているような自動開閉機能や、スマートフォン連携、多色展開のカラーバリエーションなどは排除され、白を基調としたシンプルなデザインに統一されています。また、使用される樹脂素材や陶器のコーティング技術についても、耐久性を維持できる範囲で最もコストパフォーマンスの高いものが選定されています。このように機能を絞り込むことで、高品質ながらも低価格を実現しているのです。さらに、販売戦略としての側面も見逃せません。ホームセンターにとってトイレは、それ単体で大きな利益を上げるための商品というよりも、顧客を店舗に呼び込むための目玉商品、いわゆるロスリーダーとしての役割を担っている場合があります。トイレの交換を検討している顧客が来店すれば、それに付随してトイレットペーパーホルダーやタオル掛け、便座カバー、さらには壁紙の張り替え用品や洗剤といった関連商品を購入してくれる可能性が高まります。
ホームセンターのトイレが驚くほど安い理由を徹底解説