現場で長年リフォームに携わっていると、ホームセンターのトイレは安いけれど壊れやすいのではないかという相談をよく受けます。結論から申し上げれば、ホームセンターで扱っているトイレの多くは、TOTOやLIXILといった国内一流メーカーが製造しており、基本的な耐久性や安全性において遜色はありません。それなのになぜ安いのかと言えば、それは機能の取捨選択が徹底されているからです。メーカーのプロ向けモデルが百点満点を目指しているのに対し、ホームセンター向けモデルは八十点の満足度を最も安く提供することを目指しています。例えば、陶器の材質そのものは同じでも、表面のコーティング技術に最新の特殊加工ではなく、実績のある従来技術を採用することでコストを調整しています。また、ホームセンターの安さは、施工体制のパッケージ化によっても支えられています。通常のリフォームでは現場ごとに職人が下見に行き、個別の見積もりを作成しますが、ホームセンターでは工事内容を標準化し、一律の工事費を設定しています。これにより、見積もり作成にかかる人件費や営業コストを大幅に削減できるのです。職人側も、同じ型番のトイレを繰り返し設置するため作業効率が向上し、短い時間で確実に完工できるようになります。このように、製品そのもののコストダウンだけでなく、販売から設置に至るまでのプロセス全体が合理化されていることが、安さの秘密です。安さの理由を正しく理解すれば、ホームセンターのトイレは非常にコストパフォーマンスに優れた賢い選択肢であると言えます。私のアドバイスとしては、単に価格の数字だけを比較するのではなく、そのトイレが自分のライフスタイルに合っているかどうかを真剣に考えるべきだということです。トイレは一度設置すれば十数年は使い続けるものです。数万円の差を惜しんで、毎日の掃除が大変になったり、数年で不具合が出たりするのは、結果として高い買い物になってしまいます。ホームセンターで購入する場合でも、担当者にメーカー標準モデルとの具体的な違いを細かく質問し、追加工事の可能性についても現地調査を念入りに行ってもらうよう強く要望することが大切です。また、保証期間についても、製品保証と工事保証の両方がしっかりと付帯しているか、延長保証のオプションがあるかを確認してください。安さの理由を納得した上で、納得のいく選択をすることこそが、リフォーム成功の第一歩となるのです。
リフォームの専門家が語る格安モデルの品質と信頼性