長年リフォーム業界に身を置いていると、お客様からホームセンターのトイレはなぜあんなに安いのか、何か裏があるのではないかという質問を頻繁に受けます。結論から申し上げますと、決して粗悪品を売っているわけではありません。しかし、安さには必ず理由があり、それを知らずに価格だけで決めてしまうと、後々後悔することになりかねません。プロの視点から見て、最も注意すべき点は、製品のスペックとアフターサービスの質です。ホームセンターで販売されている格安モデルは、大手メーカーが製造しているものの、型番が特殊であることが多いです。これは、特定の機能を省いたり、内部のパーツを汎用性の高い安価なものに置き換えたりすることで、ホームセンター専用の価格設定を可能にしているからです。例えば、最新のプレミスト機能や除菌水による洗浄機能といった、メーカーが最も自信を持って推奨する高付加価値な機能が削られている場合があります。これらの機能は、日々の掃除の負担を劇的に軽減してくれるものですが、カタログスペックだけを見ているとその違いに気づきにくいものです。安いからという理由で選んだ結果、以前よりも汚れが付きやすくなり、掃除の手間が増えてしまったというケースは少なくありません。また、部品の供給体制についても確認が必要です。専用モデルの場合、将来的に故障した際の交換部品が特殊で、修理費用が高くついたり、部品の保有期間が短かったりするリスクがゼロではありません。メーカーの標準モデルであれば全国どこでも修理対応が容易ですが、特注仕様の場合は対応に時間がかかることも想定しておくべきでしょう。次に、工事費用の内訳についても慎重に見極める必要があります。店頭に掲示されている価格はあくまで本体価格であり、標準工事費込みとなっていても、お住まいの状況によっては追加料金が発生することが多々あります。例えば、配管の位置が標準と異なっていたり、床の補強が必要だったり、コンセントの増設が必要だったりする場合です。ホームセンターの担当者は販売のプロではあっても、建築の専門家ではないことが多いため、現地調査の段階で初めて高額な追加費用が発覚し、結局は専門業者に依頼するのと変わらない金額になってしまったというトラブルも耳にします。また、工事を担当する業者の質も均一ではありません。提携業者の中には非常に腕の良い方もいれば、安価な請負金額ゆえに突貫工事になりがちな方も混在しているのが実情です。
リフォームのプロが教える格安トイレ選びの落とし穴